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【ZIPPO ライター 見分け方】 ベトナムジッポーの真偽の見極め方について
「ベトナムジッポー」とは、ベトナム戦争下においてアメリカ兵が実際に使ったZIPPOライターのことです。
ベトナムジッポーほど偽物が多いジッポーはありません。次に多いのがディズニー物だと思います。
今回は、ベトナムジッポーの真偽の見分け方について解説したいと思います。
精巧な偽物も多く、実際は非常に困難です。私なりの見分け方ですので、この点をご理解の上参考にしてください。
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【ベトナムジッポーの真偽の見分け方】
真偽を見極めるためには、「ベトナムジッポー」の定義が必要です。私なりに4つのポイントを定義しました。
①まず、大前提として本物のZIPPOであること!! ②ベトナム戦争(1960年初頭~1975年4月)の期間に、③絵柄や兵士の想いを彫りこみ、④実際に兵士が使用したものです。
①本物のZIPPOであること
偽物の中でも非常にチープな偽物です。これらは、容易に偽物の判断出来ますが、実際は相当数流通しているのが現実です。
下記の4か所で判断出来ますが、実際は、写真では判断の出来ない精巧な偽物もありますので、注意が必要です。コピー品は犯罪ですので絶対に掴まされないようにしてください!
※ボトムで判断
見るからに手彫りのようなレベルの低い偽物から、ほとんど見分けのつかない精巧な偽物まであり、100%の見極めは困難ですが、本物のZIPPOのロゴは「Z」と「O」の書体が独特ですので、書体でだいたいは判断できます。
※シェープで判断
偽物はいわゆる「ZIPPOタイプ」といわれる成形型を使って型打ちされているため、ほぼ100%シェープが本物と異なります。但し、微妙な違いなので現物を比べてみないと分からないものもあり、ネットでの購入の際は注意が必要です。
例1)角ばったシェープの偽物
例2)丸いシェープの偽物
※インサイドユニットで判断
インサイドユニットの偽物は刻印で容易に判明できます。私は見分けのつかないほど精巧な偽物に出会ったことはありません。
※ケースの素材で判断
ホンモノはブラス製ですので、スチール製(鉄製)のケースのものは100%偽物です。偽物は安価な鉄製ケースものがほとんどです。
磁石で確認する時インサイドユニットを外してください。蓋をしたままだと本物でも着磁してしまいます。
※まれに蓋だけスチール製のベトナムジッポーに出会います。こちらは、戦時下で蓋が壊れ現地で補修した可能性もあるため、蓋だけスチール製の個体は一概に偽物と言えないと思います。
②ベトナム戦争の期間であること
ベトナム戦争の期間が1960年初頭から1975年4月までですので、1976年以降のZIPPOを使ったベトナムジッポーは存在しません。
年製の注意点が2点あります。
①ベトナムジッポーは1960年からですが、1959年以前のZIPPOを使って現地で彫りこんでもらったものもありますので、こちらは、期間が合致していなくても偽物ではありません。
②現行の本物のZIPPOにベトナムジッポーらしい掘り込みをして「スーベニア」としてベトナムで販売されていますが、これはお土産品として取り扱われていますので、偽物とは言えません。
③思いを馳せた様々な図柄や自身のメッセージが彫りこんであること
ベトナムジッポーの最も特徴的な絵柄やメッセージの掘り込みですが、これが戦時下で彫られたものが後に彫られたものかを見極めるのは、残念ながらほぼ不可能です。④実際に兵士が使用したものであることとの合わせ技で見極めるしかありません。
④実際に兵士が使用したものであること
これも非常に判別は困難です。本物のZIPPOを使って、後にキズ等をつけて、あたかも使い込まれたようなビンテージ感を出しているものも多く、これらの偽物が一番やっかいです。
私なりの判別方法があります。「使用によるダメージ」か「作られたダメージ」かを見極めれば良いのである程度の判別は不可能ではありません。
「ジッポーを使い倒すとどうなるか?」と「戦時下」という環境を考えれば良いわけです。
ケースはいくらでも人工的に「古っぽさ」を出すことは可能です。ケースだけボロボロでインサイドユニットはほぼ無傷という使い方出来るでしょうか?
ZIPPOをお使いの方は分かると思いますが、使用によるダメージはZIPPOの弱いところに現れます。
①ヒンジの破損やグラつき、②カムスプリングのダメージ、③フリントスクリューのすり減りの3ヶ所です。
戦時下ではなかなかパーツの入手は困難なほずです。兵士は、手に入る材料を使って補修して使っていたのでしょう。
ケースにダメージがあるのに、ヒンジ、カム、フリントスクリューがオリジナルで状態も良いものは、ほぼ後から作ったダメージです。
写真のようなダメージを受けるまで戦時下で使用した場合、ヒンジの状態もオリジナルで緩みもないのは考えづらいです。
インサイドユニットのカムもフリントスクリューも状態良好というのは考えずらいです。インサイドユニットのピンだけが補修されているのも違和感あります。
意外に見落としやすいのが、インサイドユニットの年代です。あたかも使い込まれた修理痕があっても1976年以降のインサイドユニットはあり得ません。
何故ならベトナム戦争の期間が1975年までだからです。
写真のインサイドユニットは、1992年製ですが、年代的にベトナム戦争後に作られた修理痕ですね。
見分け方は簡単です。裏側に注意書きがあるかどうか確認してください!
インサイドユニットの反対側の面に注意書きの刻印が入ったのが1976年からですので、注意書きがあれば、1976年以降のインサイドユニットです。
※逆に言えば、このようなに実際に使用して補修がされたケースやインサイドユニットの個体は、まずホンモノと思って間違いないと思います。
※このようにケース本体と上蓋が違う個体を見かけます。偽物と思われがちですが、これらは、戦時下で同志と交換したり、補修で違う個体のパーツを流用していた可能性もあり、一概に偽物とは言えません。
実際は、兵士が使ったものであるかは、証明できないだけに現実的には非常に困難である事も事実ですので、一つの参考にして頂けたら幸いです。
ホンモノを見極める上での、私なりの結論は、なにより、信頼できる入手ルートから購入することだと思います。
その上で、今回の判別方法で確認してみてください。
※これまでの経験に基づく私見であり、間違いもあるかもしれません。特にベトナムジッポーの真贋は大変難しいことご理解ください。
「ベトナムジッポーの部隊マークや徽章について」に続く
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以上