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【完全保存版】ロイヤル・コペンハーゲン イヤープレート全リスト|1908年から2008年まで100年の歴史を写真で解説

【完全保存版】ロイヤル・コペンハーゲン イヤープレート全リスト|1908年から2008年まで100年の歴史を写真で解説

🌿 ロイヤル・コペンハーゲン イヤープレートとは?


1908年、デンマークの名窯「ロイヤル・コペンハーゲン(Royal Copenhagen)」から、世界初のイヤープレート(クリスマスプレート)が誕生しました。
初年度のタイトルは 「Madonna and Child(マドンナと子供)」。それ以来、毎年1枚ずつ制作され、100年以上にわたって世界中のコレクターに愛されています。

イヤープレートの特徴は、毎年異なるテーマと限定生産。モチーフには、デンマークの自然、街並み、人々の暮らし、伝統行事が描かれ、その年ごとの社会背景や時代の空気を映し出しています。

KIC GARAGEでは、1908年の初年度から2008年の100周年プレートまでを、写真付きで順次ご紹介。
デザインの変遷やデザイナーの個性、時代の流れを感じながら、ロイヤル・コペンハーゲンの芸術的進化を一緒にたどりましょう。



🕰 本記事について(シリーズ案内)


※本記事は、ロイヤル・コペンハーゲンのイヤープレート(1908〜2008年)を10年ごとに順次公開していく【完全保存版シリーズ】です。
現在は「1908〜1919年」までを掲載中。
今後、1920年代以降も随時追加していきます。
どうぞブックマークしてお楽しみに。



🕊 イヤープレート100年の歩み(1908〜2008)



❶ 1908年から1919年までの初期アールヌーボー期を写真でたどる


ロイヤル・コペンハーゲン(Royal Copenhagen)のイヤープレートシリーズは、1908年の「Madonna and Child(マドンナと子)」から始まりました。
以来100年以上にわたり、毎年クリスマスをテーマに制作され、今では世界中のコレクターに愛されています。

本記事では、1908年から1919年までの“初期アールヌーボー期”に制作されたイヤープレートを、図柄のテーマ・デザイナー・背景とともに解説します。
当時のデンマーク社会と芸術様式を反映した名作の数々を、ぜひお楽しみください。


🎄 1908〜1919年(初期アールヌーボー期)


1908年、彫刻家 Christian Thomsen(クリスチャン・トムセン) によって制作された
初代イヤープレート《Mary with Child(マドンナと子ども)》が誕生。青と白のコントラストに浮かぶ宗教的テーマは、当時のデンマーク国民に深く受け入れられました。

以後、毎年クリスマスの季節に新しいデザインが制作され、その年の型(モールド)は生産終了後に破棄されるという伝統が受け継がれます。つまり、一枚一枚が「その年だけの物語」なのです。

1908年 Madonna and Child マドンナと子供

デザイナー:  Christian Thomsen
豆知識・解説: 記念すべき初代イヤープレート。宗教的静けさと青の深みが印象的。
製造数量は非常に少なく2025枚だけ制作されたと言われております。しかも製造年が終わると金型は破棄されるという方針が取られていました。プレートのサイズは、直径:約15.5cm、高さ:約2.2cmと現在のイヤープレートに比べてふた回りほど小ぶりのサイズも希少性を高めています。
更に詳しい内容はこちらをご覧ください。


1909 Danish Landscape デンマークの景色

デザイナー:  Arnold Krog
豆知識・解説: 松ぼっくりは、デンマークの景色を象徴するものとしてしばしば用いられる題材です。松ぼっくりの向こうに広がる冬の星空と遥か彼方に見える静かな農村風景が特徴で、デンマークの自然美を愛する人々にとっては象徴的なモチーフです。
ロイヤルコペンハーゲンが得意とするブルー&ホワイトのアンダーグレーズ(下絵付け)技法で装飾され、陶磁器に描かれる独特の青い濃淡が作品に深みと魅力を与えています。プレートのサイズは、直径:約15.5cm、高さ:約2.2cmと現在のイヤープレートに比べてふた回りほど小ぶりのサイズも希少性を高めています。
更に詳しい内容はこちらをご覧ください。


1910 Magi マギ

デザイナー:  Christian Thomsen
豆知識・解説: キリスト教の伝統的なテーマである東方の三人の賢者(マギ)が、星に導かれてベツレヘムへと旅する場面を描いたものです。
リムに描かれた輝く星は、1930年代以降のイヤープレートの縁の上部に配されている星の意匠の原型であり、ロイヤルコペンハーゲンイヤープレートを語る上でも極めて重要で価値のあるプレートです。
プレートのサイズは、直径:約15.5cm、高さ:約2.2cmと現在のイヤープレートに比べてふた回りほど小ぶりのサイズも希少性を高めています。
更に詳しい内容はこちらをご覧ください。


1911 Danish Landscape デンマークの景色

デザイナー:  Oluf Jensen
豆知識・解説: 「Danish Landscape」は、木に括り付けた麦のついた麦わらに小鳥たちが集まっているというデンマークの農村の冬の風景を見事に表現した作品になっています。
プレートのリム(縁取り)に松ぼっくりを配した最初のプレートです。同じ題材の1909年の「Danish Landscape」にも松ぼっくりが描かれていますが、以降現在に至るまで何らかの形で松ぼっくり柄が取り入られています。1941年にプレートのリムは標準化され松ぼっくりが採用されています。
プレートのサイズは、1911年のプレートから標準化され現在に至っています。
直径:約18cm
高さ:約2.5cm
更に詳しい内容はこちらをご覧ください。


1912 Elderly Couple by Christmas Tree クリスマスツリーのそばの老夫婦

デザイナー:  Christian Thomsen
豆知識・解説: 「Elderly Couple by Christmas Tree」は、その名の通り、クリスマスツリーを囲む年配の夫婦が描かれています。ツリーには、伝統的なクリスマスキャンドルが灯されている様子が印象的です。
1912年のイヤープレートのリムには、「JULEN」という文字が描かれています。「JULEN」とはデンマーク語で「クリスマス」を意味し、リム全体を彩る装飾と共に、デンマークの伝統的なクリスマスの雰囲気をさらに引き立てています。この「JULEN」の表記は、1912年から1915年のイヤープレートに特有の特徴です。
更に詳しい内容はこちらをご覧ください。


1913 Spire of Frederik's Church, Copenhagen
 フレデリクス教会の尖塔

デザイナー:  Arthur Boesen
豆知識・解説: このイヤープレートのモチーフとなっている「フレデリクス教会(Frederik's Church)」は、デンマーク・コペンハーゲンに位置する歴史的なルーテル派教会で、一般的には「マーブル教会(Marble Church)」としても知られています。その美しいバロック様式の建築は、1749年にフレデリク5世の命によって建設が始まりましたが、完成したのは1894年と長い年月を要しました。
更に詳しい内容はこちらをご覧ください。


1914 Sparrows in Tree at Church of the Holy Spirit, Copenhagen 教会の木にとまる雀たち

デザイナー:  Arthur Boesen
豆知識・解説: Church of the Holy Spirit( 聖霊教会)は、コペンハーゲン中心部に位置し、デンマーク最古級の教会の一つとして知られています。木には複数のスズメが止まっており、冬の静寂な風景を表現しています。スズメは親しみやすさと平和の象徴であり、このデザインは厳しい冬にも生命が息づく様子を描き出しています。
更に詳しい内容はこちらをご覧ください。


1915 Danish Landscape デンマークの景色

デザイナー:  Arnold Krog
豆知識・解説: この年までイヤープレートのリムには、「JULEN」という文字が描かれています。「JULEN」とはデンマーク語で「クリスマス」を意味し、リム全体を彩る装飾と共に、デンマークの伝統的なクリスマスの雰囲気をさらに引き立てています。
更に詳しい内容はこちらをご覧ください。


1916 Shepherd in the Field on Christmas Night 野の羊飼い

デザイナー:  Richard Bocher
豆知識・解説: 「Shepherd in the Field on Christmas Night」は、同ブランドの歴史の中でも特に象徴的な一枚として知られています。このイヤープレートは、クリスマスの夜の平穏で神聖な情景を描いたもので、デンマークの伝統と宗教的テーマが美しく融合しています。ルカの福音書福音書2章8-2に伝わる天使が羊飼いと羊たちの前に現れた様子を描いたデザインで宗教的なメッセージを深く内包しています。
更に詳しい内容はこちらをご覧ください。


1917 Tower of Our Saviour’s Church, Copenhagen 我が主の教会の塔

デザイナー:  Oluf Jensen
豆知識・解説: コペンハーゲンの救世主教会(Our Saviour’s Church)の塔を中心に描かれたデザイン。この塔は、スパイラル状の外階段を持つ独特な建築様式で知られ、デンマークの宗教的・文化的アイデンティティを象徴しています。
更に詳しい内容はこちらをご覧ください。


1918 Sheep and Shepherds 羊と羊飼い

デザイナー:  Oluf Jensen
豆知識・解説: その名の通り、冬の丘に佇む羊飼いと数頭の羊が描かれています。
彼らの頭上にはひときわ輝く星が象徴的に描かれています。
羊飼いが穏やかな眼差しで羊たちを見守る姿には、自然への慈しみと人間の温もりが感じられます。
更に詳しい内容はこちらをご覧ください。


1919 In the Park 公園にて

デザイナー:  Oluf Jensen
豆知識・解説:ロイヤルコペンハーゲンの1919年製イヤープレート「In the Park(公園にて)」は、静かな冬の公園を舞台に、一羽の小鳥と雪に覆われたベンチが描かれた作品です。
第一次世界大戦が終結し、平和と日常を取り戻しつつあったデンマークの空気を感じさせる、穏やかで詩情豊かな一枚として知られています。

更に詳しい内容はこちらをご覧ください。


【総括まとめ】

🏛️ 初期イヤープレートの特徴と技法

この1908〜1919年期は、アーノルド・クローグ(Arnold Krog)クリスチャン・トムセン(Christian Thomsen)という2人の巨匠によって築かれた時代です。
青と白のアンダーグレーズ技法による柔らかな濃淡表現が特徴で、宗教・自然・家庭をテーマにした静かな美しさが魅力です。

特に1911年以降はプレートの直径が約18cmに統一され、現行サイズの基礎となりました。
この時代の作品は、デンマーク国内でも入手困難であり、現在ではコレクターズ市場で非常に高い評価を受けています。



🔍 コレクターズポイント

  • 初期バックスタンプ:「王冠+三本波線+形状番号」のみ。
    「DENMARK」表記はまだなし。手描き釉薬による濃淡が個体ごとに異なる。

  • サイズ統一:1910年までは約15.5cm規格。1911年以降、現行と同じ約18cm規格に変更。

  • 人気モデル:1908年、1909年、1910年、1912年、1914年は特に高評価。

  • 保存状態による価格差:一級品・二級品コンディションにより大きく価格差あり




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📚 出所・参考文献

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