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1913年製ロイヤルコペンハーゲンイヤープレートの解説 「Spire of Frederik's Church, Copenhagen」
「Spire of Frederik's Church, Copenhagen」の詳細解説
1913年に制作されたロイヤルコペンハーゲンのイヤープレート「Spire of Frederik's Church, Copenhagen(フレデリクス教会の尖塔)」は、デンマーク文化と建築美を象徴する一枚として知られています。このプレートは、ロイヤルコペンハーゲンのデザイナー、アーサー・ボーセン(Arthur Boesen)によってデザインされました。
※年月やその特徴については、現物をベースに文献等による確認もしておりますが、多少前後していたり、間違いもあるかもしれません。その点はご容赦ください。
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デザインのモチーフと背景
このイヤープレートのモチーフとなっている「フレデリクス教会(Frederik's Church)」は、デンマーク・コペンハーゲンに位置する歴史的なルーテル派教会で、一般的には「マーブル教会(Marble Church)」としても知られています。その美しいバロック様式の建築は、1749年にフレデリク5世の命によって建設が始まりましたが、完成したのは1894年と長い年月を要しました。
プレートには、教会の特徴的な尖塔が描かれており、その周囲には光り輝く星空が広がっています。デザインは非常に繊細で、尖塔の細部まで丁寧に表現されています。背景の深い青色と白のコントラストが、寒冷な北欧の冬を連想させるとともに、デンマークの厳かな美しさを引き立てています。
ロイヤルコペンハーゲンは、この教会の尖塔を1913年のイヤープレートのテーマとして選びました。この選定は、デンマークの文化遺産を称え、教会が完成してから20周年を迎える記念の意味も含まれていると考えられます。
プレートは、ロイヤルコペンハーゲンが得意とするブルー&ホワイトのアンダーグレーズ(下絵付け)技法で装飾され、陶磁器に描かれる独特の青い濃淡が作品に深みと魅力を与えています。柔らかな青色のグラデーションは、シンプルながらも時代を超えた美しさを持ち、どんなインテリアにも映える逸品です。
デザイナーについて
このイヤープレートのデザインは、アーサー・ボーセン(Arthur Boesen)※が手掛けたものとされています。ボーセンはロイヤルコペンハーゲンのデザイナーとして、1910年代を中心に多くのイヤープレートを制作しました。
※アーサー・ボーセン(Arthur Boesen, 1880–1962)
デンマークの陶磁器デザイナーであり、ロイヤルコペンハーゲンにおいて特に風景や動物をモチーフとした作品で知られています。彼のデザインは、デンマークの自然や文化に対する深い愛情が感じられるものが多く、今なお多くのコレクターに愛されています。
リム(縁)の装飾とバックスタンプ
1914年のイヤープレートのリムには、「JULEN」という文字が描かれています。「JULEN」とはデンマーク語で「クリスマス」を意味し、リム全体を彩る装飾と共に、描かれた松ぼっくりと星が伝統的なロイヤルコペンハーゲンのクリスマスプレートの雰囲気をさらに引き立てています。この「JULEN」の表記は、1912年から1915年のイヤープレートに特有の特徴です。
プレートのサイズは、1911年のプレートから標準化され現在に至っています。
直径:約18cm
高さ:約2.5cm
バックスタンプは、王冠マークと三本の波模様と形状番号(このプレートでは132がそれ)です。王冠マークに「DENMARK」のロゴは入っていません。この頃から生産工程で数字(このプレートでは10343がそれ)やスタンピング(このプレートには入っていません)がしばしば入るようになりました。生産工程でつけられた数字やマーキングについては、「バックスタンプ⑤-その他徹底解説」で詳しく解説しています。
製造秘話
1913年当時、ロイヤルコペンハーゲンはイヤープレート制作の初期段階にありました。1895年に最初のイヤープレートが制作されて以来、毎年新しいデザインが発表されるようになり、1913年の「Spire of Frederik's Church, Copenhagen」はその19作目にあたります。これらのプレートは、職人たちの手作業による絵付けが特徴で、一枚一枚が高い芸術性を備えています。
この時代のイヤープレートは、デンマーク国内のみならず、海外のコレクターにも人気を博しました。特に1913年のデザインは、建築物をモチーフにした珍しいプレートとして注目を集めています。
コレクション価値
「Spire of Frederik's Church, Copenhagen」は、現在でもイヤープレートコレクターの間で高い人気を誇っています。そのデザインの美しさと歴史的な価値から、オークションやアンティークマーケットで高値で取引されることが多いです。
保存状態や絵付けの鮮明さが価格に影響しますが、特に完品であれば非常に希少価値が高い一品です。
まとめ
1913年製のロイヤルコペンハーゲンイヤープレート「Spire of Frederik's Church, Copenhagen」は、デンマークの歴史と文化、そしてアーサー・ボーセンの芸術的才能を象徴する作品です。その美しいデザインと背景にある物語は、時代を超えて多くの人々に愛されています。
イヤープレートの収集やデンマーク陶器に興味のある方にとって、この作品は特に見逃せない一枚と言えるでしょう。
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