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ロイヤルコペンハーゲン1915年製イヤープレート「Danish Landscape」の魅力と歴史を徹底解説
ロイヤルコペンハーゲン 1915年製イヤープレート「Danish Landscape」について
ロイヤルコペンハーゲンの1915年製イヤープレート「Danish Landscape」は、その名の通りデンマークの美しい風景をテーマにした作品です。このイヤープレートは、第一次世界大戦中に制作されたものであり、その背景からも特別な意味を持つデザインとなっています。
プレートの特徴
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タイトル: Danish Landscape
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制作年: 1915年
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デザイン要素:
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教会や農家が佇む穏やかな田園風景。
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空と地平線の対比が美しいブルーアート。
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アンダーグレーズ技法を使用した柔らかな濃淡表現。
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このイヤープレートは、単なる装飾品ではなく、当時のデンマーク人の精神や風景に対する愛情を感じさせる特別なアイテムです。
※年月やその特徴については、現物をベースに文献等による確認もしておりますが、多少前後していたり、間違いもあるかもしれません。その点はご容赦ください。
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デザインの詳細
1915年のイヤープレートには、穏やかな田園風景が描かれています。デザインには、デンマーク特有の自然環境や農村の生活が反映されており、遠くに教会や農家が見える構図が特徴です。この構図は、静寂さや平和への願いを象徴しており、戦争中の不安定な時代において特に感慨深いものとなっています。
このプレートは、青と白のバランスが美しく、ロイヤルコペンハーゲンの伝統的なアンダーグレーズ技法を用いて制作されています。緻密な筆遣いと、風景を際立たせるための繊細な濃淡表現が、職人技の高さを物語っています。
プレートは、ロイヤルコペンハーゲンが得意とするブルー&ホワイトのアンダーグレーズ(下絵付け)技法で装飾され、陶磁器に描かれる独特の青い濃淡が作品に深みと魅力を与えています。柔らかな青色のグラデーションは、シンプルながらも時代を超えた美しさを持ち、どんなインテリアにも映える逸品です。
作者とデザインの背景
1915年のイヤープレートのデザインは、ロイヤルコペンハーゲンの熟練デザイナーであったアーノルド・クロ-グ(Arnold Krog)※によるものです。ボーセンは、デンマークの自然や文化を題材にした作品を多く手掛けており、そのスタイルは細部にわたる写実性と詩的な表現力が特徴です。
このプレートの制作当時、デンマークは第一次世界大戦には参戦していませんでしたが、隣国が戦火に見舞われる中で、中立国としての平和への思いが国民の間で強く共有されていました。そのような時代背景の中で、穏やかなデンマークの風景を描いたこのイヤープレートは、平和と調和の象徴として人々に受け入れられたのです。
※アーノルド・クロ-グ(Arnold Krog、1856–1931)
デンマークの建築家、画家、デザイナーで、1884年から1916年にかけてロイヤルコペンハーゲンの芸術監督を務めました。彼は、同社の伝統的なスタイルを刷新し、日本の陶磁器や自然主義的なデザインからインスピレーションを得た新しいスタイルを導入しました。このスタイルは、風景や自然の描写を可能にする「アンダーグレーズ技術」を活用しており、ロイヤルコペンハーゲンの代表的な特徴となっています。
彼の指導の下、ロイヤルコペンハーゲンは1888年のコペンハーゲン北欧展示会での評価や、1891年のパリ万国博覧会でのグランプリ受賞など、国際的な名声を確立しました。また、アーノルド・クロスはロイヤルコペンハーゲン初のアンダーグレーズ記念プレート(のちのクリスマスプレートの原型)をデザインし、これが同社の新しい伝統の一つとなりました。
クロ-グはまた、退任後に風景画家としても活躍し、彼の作品や影響は現在もデンマーク芸術の重要な一部とされています。彼のデザイン哲学と技術革新は、ロイヤルコペンハーゲンの成功と進化において不可欠な役割を果たしました。
リム(縁)とバックスタンプ
1914年のイヤープレートのリムには、「JULEN」という文字が描かれています。「JULEN」とはデンマーク語で「クリスマス」を意味し、リム全体を彩る装飾と共に、描かれた松ぼっくりと星が伝統的なロイヤルコペンハーゲンのクリスマスプレートの雰囲気をさらに引き立てています。この「JULEN」の表記は、1912年から1915年のイヤープレートに特有の特徴です。
プレートのサイズは、1911年のプレートから標準化され現在に至っています。
直径:約18cm
高さ:約2.5cm
バックスタンプは、王冠マークと三本の波模様と形状番号(このプレートでは112がそれ)です。王冠マークに「DENMARK」のロゴは入っていません。この頃から生産工程で数字(このプレートでは3665がそれ)やスタンピング(中央左のKマークがそれ)がしばしば入るようになりました。生産工程でつけられた数字やマーキングについては、「バックスタンプ⑤-その他徹底解説」で詳しく解説しています。
コレクターズアイテムとしての価値
「Danish Landscape」は、ロイヤルコペンハーゲンのイヤープレートシリーズの中でも人気の高い一枚です。デンマークの文化や歴史に興味を持つコレクターにとって、特に価値のある作品とされています。
また、制作年が第一次世界大戦中ということもあり、歴史的な背景を持つコレクターズアイテムとしての重要性が増しています。このプレートは、状態が良好であれば、オークションやアンティーク市場で高値が付くことも珍しくありません。
まとめ
ロイヤルコペンハーゲンの1915年製イヤープレート「Danish Landscape」は、美しいデザインと深い歴史的背景を持つ一品です。このプレートは、単なる装飾品以上の価値を持ち、デンマークの自然や文化を象徴する重要なアイテムとなっています。
もしこのプレートに興味をお持ちであれば、ぜひアンティーク市場や専門店でその実物を手に取ってみてください。1915年という歴史的な年に制作されたこのプレートは、きっとあなたのコレクションに特別な一枚を加えることでしょう。
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