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ジッポー 赤フェルトとは?
1967年製のジッポーに見られる「赤フェルト」は、ZIPPO社がこの時代に採用していた特徴的なパーツのひとつです。
フェルトとは、インサイドユニットの底につけられている厚手のフェルト製のパーツで、ZIPPOのウィック(芯)とコットンパッドを保持し、オイルの漏れや揮発を防ぎライターの機能性や耐久性を支える役割を果たしているものです。
右が赤フェルトです。
1967年のZIPPOと赤フェルトの意味
赤フェルトが使われたのは、1966年後半から1967年前半までの非常に短い期間です。インサイドユニットはこちらの写真のユニットです。
何故この短い時期だけ採用されたのか?
ZIPPO社の文献を確認してもフェルトの色変更には明確な理由が示されていませんが、業界では当時の原材料供給の変動、もしくは単なる製造プロセス上の試行であった可能性が指摘されています。
1960年代から1970年代にかけて、ジッポー社はデザインや素材に関していくつかの変更を行っていましたが、この時期の仕様変更は、他にも新しい素材のテストや効率性を高めるための試験的な採用だった可能性も考えられます。
1960年代後半の赤フェルトの採用には耐久性やメンテナンス性の向上の意図があったという説もあります。赤フェルトは、白や他の色に比べて燃料汚れが目立ちにくく、フリントの交換やウィックの位置調整など、内部のメンテナンスをしやすくしたというものです。
いずれにしても、この赤フェルトの登場は短期間に終わりました。このため、赤フェルトを持つジッポーは限定的な生産にとどまり、コレクション市場での希少性が高いとされています。ジッポーにとって、また、視覚的に美しく、ジッポーの象徴とも言える赤色はコレクターの間でも人気があります。
本物の赤フェルトの見分け方
写真の右のようなリプロ品も販売されています。見分け方は素材感だけです。
リプロ品は固い成形品であるのに対してホンモノは非常にソフトなものです。
現物を手に取っていただければその差は明らかです。
もう一つは、年代です。1966年後半から1967年前半までしか使われていないので、
ケースのボトム刻印は、|||| ||||か|||| |||だけです。
特に1967年製は後半には、PAT.2517191がケースからもインサイドユニットからも無くなりますので1967年製は注意が必要です。
まとめ
1967年製ZIPPOに見られる赤フェルトは、ZIPPOの製造工程や品質へのこだわりを示す重要な要素です。機能性の向上と同時に、コレクターアイテムとしての価値も高く、その美しさと実用性から今でも非常に人気があります。
※年度やその特徴については、現物をベースに文献等による確認もしておりますが、多少前後していたり、間違いもあるかもしれません。特に過渡期は、パーツの流用等あり難しいです。
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以上