「豆腐フェルト」と呼ばれるフェルトは、1968年頃から1972年頃にかけて、ジッポーライターのレーヨン製の中綿の代わりとして一時的に使われた固めのフェルト素材です。その形が豆腐のような四角い形状をしていることから、「豆腐フェルト」という愛称がつけられています。この期間に製造されたジッポーのみに見られるため、コレクターにとっては一種の珍品であり、特に希少価値のある存在となっています。

豆腐フェルトは、インサイドユニットをバラしてみないと分からないので、
影なる人気アイテムの一つです。1969年によく使われているのでご自身のライターを確認してみてはいかがでしょうか？




なぜ「豆腐フェルト」が使用されたのか？

一部の説では、1960年代後半から1970年代初頭の間、材料供給に関する変更や製造コストの影響を受けた可能性が指摘されています。レーヨン製のフェルトに比べて、この固めの「豆腐フェルト」は耐久性があり、オイルの保持力が良いことが特徴です。しかし、固めであるために着火時のオイル供給に微調整が必要な場合もあり、従来のレーヨンフェルトよりも使い勝手が悪かった可能性もあります。こうした背景から、1972年頃には再びレーヨン製フェルトに戻ったと考えられています。

コレクターにとっての価値

「豆腐フェルト」が使われていたジッポーは、この短い期間にのみ製造されたため、現在ではコレクターアイテムとしての価値が高くなっています。一般的なレーヨン製フェルトと異なる見た目と質感を持っているため、コレクションの中でも一際目立つ存在です。また、ジッポーの歴史における一時的な素材変更を反映しており、ジッポーの製造過程や材料に対する興味深い視点を提供してくれるアイテムでもあります。

ヴィンテージジッポー収集において、この「豆腐フェルト」を搭載したライターを見つけることは、製造年を示す指標の一つにもなり、より深いコレクターの探究心を刺激するアイテムと言えるでしょう。