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1908年製ロイヤルコペンハーゲンイヤープレートの魅力

1908年製ロイヤルコペンハーゲンイヤープレートの魅力

ロイヤルコペンハーゲンイヤープレートの中でも特に注目すべき作品が、1908年に製作された初代イヤープレート、「マドンナと子供(Madonna with the Child)」です。この記念すべきプレートは、ロイヤルコペンハーゲンがクリスマスプレートシリーズをスタートさせた最初の作品として、その歴史的価値が高く、現在も多くのコレクターに愛されています。


※年月やその特徴については、現物をベースに文献等による確認もしておりますが、多少前後していたり、間違いもあるかもしれません。その点はご容赦ください。

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「マドンナと子供」のデザイン


このイヤープレートのデザインは、デンマークの著名なアーティストであるクリスチャン・トムセン(Christian Thomsen)によるもので、聖母マリアが幼子イエスを穏やかに抱きしめる姿が描かれており、その表情や仕草には深い愛情と崇高さが込められています。キリスト教の象徴である「母と子」のテーマを丹念に表現したものです。

プレートは、ロイヤルコペンハーゲンが得意とするブルー&ホワイトのアンダーグレーズ(下絵付け)技法で装飾され、陶磁器に描かれる独特の青い濃淡が作品に深みと魅力を与えています。柔らかな青色のグラデーションは、シンプルながらも時代を超えた美しさを持ち、どんなインテリアにも映える逸品です。


アーティスト、デザイナー

1908年のロイヤルコペンハーゲンイヤープレート「Madonna with Child(聖母子像)」のデザインは、デンマークの著名な彫刻家でデザイナーのクリスチャン・トムセン(Christian Thomsen)※が手掛けました。この作品は、ロイヤルコペンハーゲンのクリスマスイヤープレートの最初のモデルであり、特別な歴史的価値を持っています。​

トムセンは、宗教的なテーマを得意とし、このプレートでは青と白のバランスが美しい「アンダーグレイズ」技法を用いて、聖母マリアと幼子イエスを描きました。この技法は、当時のロイヤルコペンハーゲンの芸術監督であるアーノルド・クロッグ(Arnold Krog)によって導入され、後に同ブランドの象徴となりました。この作品は、クリスマスプレートの伝統を確立し、その後のイヤープレートシリーズの基盤を築きました​。

※クリスチャン・トムセン(Christian Thomsen, 1860–1921)
デンマークの彫刻家であり、ロイヤルコペンハーゲンで長く活躍した著名なデザイナーです。彼は1898年にロイヤルコペンハーゲンに採用され、1921年に亡くなるまで多くのデザインを手掛けました。

トムセンの作品は、動物や人物像、そしてアンデルセン童話を題材にしたフィギュリンで特に知られています。また、彼はクリスマスプレートを含む36点の記念プレートのデザインも担当し、1908年のイヤープレート制作を手掛けたことで特に注目されています。

彼のスタイルは、細部へのこだわりとデンマークの文化的アイデンティティを象徴する要素を巧みに融合させているのが特徴です。そのため、彼の作品は収集家や陶磁器愛好家にとって高く評価されています。


製造背景とその価値

このプレートが作られた1908年当時、ロイヤルコペンハーゲンはクリスマスプレートシリーズがこれほど長く続くものになるとは予想していませんでした。そのため、製造数量は非常に少なく2025枚だけ制作されたと言われております。しかも製造年が終わると金型は破棄されるという方針が取られていました。この結果、1908年製のイヤープレートは非常に希少なコレクターズアイテムとなっています。

さらに、当時のヨーロッパではアールヌーボー様式が盛んでしたが、このプレートはその影響を受けつつも、クラシックな宗教画の伝統をしっかりと守り抜いたデザインとなっています。この融合が、1908年製イヤープレートを芸術作品としても特別な存在にしています。


コレクターズアイテムとしての魅力

「マドンナと子供」は、単なるクリスマス装飾品としてだけでなく、美術品としての価値も高い作品です。ロイヤルコペンハーゲンのイヤープレートの中で最初の作品であることから、シリーズ全体の出発点として重要な位置を占めています。そのため、世界中のコレクターから非常に高い評価を受けており、オークションや骨董市でも注目の的です。

このプレートは、ロイヤルコペンハーゲンの職人たちの卓越した技術と、クリスチャン・トムセンの芸術的な才能が融合した逸品です。このような歴史的価値や芸術性を考慮すると、単なる装飾品の域を超えた存在と言えるでしょう。

プレートのサイズは、直径:約15.5cm、高さ:約2.2cmと現在のイヤープレートに比べてふた回りほど小ぶりのサイズも希少性を高めています。
※ちなみに現在のサイズになったのは、1911年からです。

バックスタンプは、王冠マークと三本の波模様と形状番号(フォルムナンバー)です。王冠マークに「DENMARK」のロゴは入っていません。



まとめ

1908年製ロイヤルコペンハーゲンイヤープレート「マドンナと子供」は、歴史的価値、芸術性、希少性を兼ね備えた特別なアイテムです。このプレートを所有することは、単に一つの作品を手に入れるだけでなく、ロイヤルコペンハーゲンの伝統や歴史に触れる機会でもあります。もしこのプレートがあなたのコレクションに加われば、その存在感と物語が日々の生活に特別な彩りを添えることでしょう。

「ロイヤルコペンハーゲンイヤープレートのバックスタンプの意味」はこちらです。

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