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ロイヤルコペンハーゲンイヤープレートのリムの秘密:美しさと歴史の象徴
ロイヤルコペンハーゲンのイヤープレートは、1908年に制作されたイヤープレート初代の「Madonna with the Child(マドンナと子供)」以来100年以上に渡り1年も欠かすことなく毎年違ったデザインで多くの人々を魅了し続けてきました。その中でプレートのフレームであるリム(縁)については、あまり焦点が当てられず文献も少ないので私なりに考察してみました。
今回は、リムに焦点を当て、そのデザインや特徴、そして変遷について解説します。
※年月やその特徴については、現物をベースに文献等による確認もしておりますが、多少前後していたり、間違いもあるかもしれません。その点はご容赦ください。
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リムの役割と意義
イヤープレートのリムは、中央の絵柄を引き立てるフレームのような役割を果たしています。リムのデザインは、単なる装飾ではなく、 以下のような意義を持っています。
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テーマの強調
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リムには、その年のテーマやメッセージが反映され、プレート全体の物語性を高めています。
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視覚的なバランス
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リムがあることで、中央の絵柄が際立ち、全体のデザインにまとまりを持たせています。
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クリスマスの象徴
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リムにはクリスマスに関連するモチーフや装飾が施されており、特別な雰囲気を演出しています。
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歴代イヤープレートのリムの特徴
リムのデザインは年代ごとに異なり、その時代の流行やテーマが反映されています。いくつかの例を挙げてみましょう。
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1908年 – Madonna with the Child(マドンナと子供)
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言わずと知れた初年度イヤープレートです!
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リムは、1908の中央に「JUL」が描かれ模様はありません。
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ちなみに、JULとは英語のJULY(7月)ではなく、デンマーク語で「クリスマス」を意味する一般名詞です。
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1910年 – The Magi(マギー)
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リムの頂点に輝く星が描かれています。
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この星は、東方からベツヘルムまでマギー達を導いた星を意味し、現在のイヤープレートのリムの意匠の原型となりました。
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1911年 – クリスマスの星
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プレートのリムに松ぼっくりを配した最初のプレートです。同じ題材の1909年の「Danish Landscape」にも松ぼっくりが描かれており、以降現在に至るまで何らかの形でしばしば松ぼっくり柄が取り入られています。
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1941年にプレートのリムは標準化され松ぼっくりが採用されています。
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1912年 – Elderly Couple by Christmas Tree(クリスマスツリーのそばの老夫婦)
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ロイヤルコペンハーゲンのイヤープレートにおける「JUL(クリスマス)」ではなく「JULEN(クリスマスの)」という表記が1912年から1915年と1931年に採用されました。
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デンマーク語で「JUL」は「クリスマス」を指す一般名詞ですが、「JULEN」は「そのクリスマス」または「特定のクリスマス」を意味する定冠詞付きの形です。何故この5年間だけ「JULEN」が使われたのかは定かではありませんが、「特別なクリスマス」を象徴する意味や、リム上の文字がデザイン全体に与えるバランスや視覚的な影響を考慮した可能性があります。
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1914年 – Sparrows in Tree at Church of the Holy Spirit, Copenhagen(教会の木にとまる雀たちリスマスの星)
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シリーズの中で唯一鳥(雀)が描かれたプレートのリムです。
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1916年 – Shepherd in the Field on Christmas Night(野の羊飼い)
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絵画とリムを融合した珍しいデザインです。天使の翼がリムに溶け込み羊飼いの前に現れた天使をうまく表現しています。
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1929年 – Grundvig Church, Copenhagen( コペンハーゲンのグルンビッグ教会リスマスの星)
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年度とJULをリボンにデザインしてリムから飛び出させた唯一のモデルです。
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1941年 – Danish Village Church(デンマークの村の教会)
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これまで年度ごとに異なっていたリムが、1941年に星に松ぼっくりというリムのデザインが標準化されました。
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1953年 – Frederiksberg Castle(フレデリクスボー城)
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1953年以降、リムからJULが消え年度だけになります。
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リムに込められたメッセージ
リムのデザインには、デザイナーの思いやクリスマスへの特別な祈りが込められています。例えば、クリスマスローズは純潔と希望を象徴し、装飾模様や文字には、デンマークの伝統やその年のテーマが反映されています。
リムを通じて楽しむイヤープレート
ロイヤルコペンハーゲンのイヤープレートは、中央の絵柄だけでなく、リムのデザインにも注目することで、その魅力をより深く楽しむことができます。細部に宿る美しさやテーマ性は、コレクターにとって大きな喜びとなるでしょう。
一枚のプレートに刻まれた物語をリムから読み取ることで、クリスマスの精神やデザイナーの思いを感じ取ってみてはいかがでしょうか。
以上