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【Coleman ランタン モデル】 シアーズランタンの話 その20 ― L43シリーズ ―
Sears の “L43シリーズ” は、1930〜40年代にかけて AGM や Preway が OEM 製造した希少なシアーズ専売ランタンです。
L43S・L43P・L43PB・742-43 はいずれも同系統の姉妹モデルで、タンクの素材や仕上げの違いによって派生したバリエーションです。仕様はほぼ同じと考えて間違いありません。
「シアーズランタン」は、 Coleman 製 Sears がよく知られていますが、L43 系は AGM・Preway といった他メーカーが手掛けた特異なグループで、仕様が独特であることやパーツがほぼ入手出来ないことから、使用出来る現存数が極端に少ない のが最大の特徴。
今日では Coleman Sears を上回るコレクター価値 を持つことも珍しくありません。
Sears ランタンの中でも群を抜く特異なランタンです。
当店では、L43シリーズ特有の重厚なシルエットと無骨な存在感から、このモデルを 「Green Iron(グリーン・アイアン)」 と呼んでいます。
アボカドグリーンのタンクと大ぶりな独特な形状のトップが一体となった姿は、まるで“緑色の鋳鉄塊(Iron)”のような迫力をもち、点灯時はミカの内側で光が揺らぎ、戦前ランタンらしい風格をより強調します。
- L43シリーズ -

※年月やその特徴については、現物をベースに文献等による確認もしておりますが、多少前後していたり、間違いもあるかもしれません。特に過渡期は、パーツの流用等あり難しいです。ご容赦ください。
【 MODEL L43シリーズの特徴と見分け方】
生産期間: おおよそ 1935年ごろ 〜 1942年ごろ
※仕様はほぼ同じなので、L43Sで説明します。
ちなみに、違いはおおよそ以下の通りです。
■ L43S
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1936〜1942 年頃
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製造は Preway(Prentiss-Wabers)が中心、AGM 供給も一部。
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スチールタンク塗装仕上げ・標準仕様。
■ L43P
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1937〜1942 年頃
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“P=Plated” の名の通り、ニッケルメッキタンクの個体。
■ L43PB
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1938〜1942 年頃
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PB は “Plated + Blue enamel top” を意味し、Sears 特有のブルーホーローベントを備える。
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実在数は L43 系の中でも最少クラス。
■ 742-43 / 742-43-9 など(Sears カタログ番号)
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1940〜1942 年(確定度高)
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Sears Catalog の 742 番台は戦前最終期のランタンカテゴリーで、“742-43-9 / -11” は L43 の販売コードとして使われた。
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中身は L43S または L43P 系が多いが、PB 系も存在。
① 特徴は、一度見たら忘れられない大きなベンチレーターと半円形のタンクの堂々たる風貌です。色はアボカドグリーンです。
② タンクは、つるんとした半円形です。年号の刻印はありませんモデルによってスチール製とブラス製が存在します。

※左がスチール製(43P)、右がブラス製(43S)です。
③ カラーにモデルネームの刻印があります。7426と710.7426がありますが、同じモデルと考えて間違いありません。



④ フレームは独特です。
⑤ モデルによってバルブアッシーの仕様が若干変わります。構造は同じです。

⑥ ジェネレーターがAGM専用になります。コールマンのジェネレーターと互換性が無く、パーツも廃番になっているので大事にしてください。

⑦ バルブとフューエルキャップはこんな感じです。

⑧点火するとこんな感じです。
販売中のシアーズランタンについては、こちらをご覧ください。