🔰 はじめに
ベトナム戦争期にアメリカ兵が携行していたZIPPOライター。
その中でも「部隊刻印モデル」は、兵士の所属・任務・戦地の記録をそのまま金属に刻んだ、まさに“戦場の証言者”ともいえる存在です。
今回ご紹介するのは、1st LOGISTICAL COMMAND(第1兵站司令部) の刻印を持つ一台。
⚙️ 1st LOGISTICAL COMMANDとは?
1st Logistical Command(第1兵站司令部) は、ベトナム戦争における米陸軍の補給・輸送・整備を担った中核組織です。
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設立:1965年(前身は日本およびフィリピン駐留時代の兵站部隊)
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任務:兵器・弾薬・燃料・食糧・医療物資などの供給
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駐屯地:サイゴン、カムラン湾、ダナンなど南ベトナム全域
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兵士数:ピーク時には約50,000人規模の兵站要員を展開
1st LOG COMMANDは、前線の戦闘部隊を支える“縁の下の力持ち”であり、彼らがいなければ戦争の継続は不可能でした。
📍「DONG XOAI(ドンソアイ)」とは
ドンソアイは、1965年に発生した激戦地のひとつ。
「ドンソアイの戦い(Battle of Dong Xoai)」は、アメリカと南ベトナム軍が北ベトナム軍(ベトコン)と激突した初期の大規模戦闘として知られています。
このZIPPOに刻まれた「64–65 DONG XOAI」という刻印は、
ちょうどその激戦地に駐屯または補給任務にあたっていた兵士が使用していた可能性を示しています。
🪖 兵士とZIPPOの関係
ベトナム戦争期のアメリカ兵にとって、ZIPPOは単なるライターではなく、
「信頼できる相棒」そして「心の支え」でした。
彼らはZIPPOに自分の所属・信条・ユーモア・皮肉・祈りを刻み込み、
過酷な戦場生活の中で常にポケットに忍ばせていました。
この1st LOG COMMAND ZIPPOもまた、
補給任務の過酷さと誇りを刻み込んだ、一兵士の“戦友”だったのです。
💬 まとめ
「1st LOGISTICAL COMMAND」ZIPPOは、
戦場の最前線を支えた兵士たちの静かな誇りを刻んだ一本。
華やかな戦闘部隊とは異なり、
陰で戦争を支えた“補給の英雄たち”の記憶を今に伝える貴重な記念碑といえるでしょう。
🔸VIETNAM 64–65 DONG XOAI
🔸1st LOGISTICAL COMMAND ZIPPO
これは、戦争の歴史とともに歩んだ一人の兵士の物語です。